スパークリングワインはなぜ酔いやすいと感じるのか

スパークリングワインは、他のお酒と比べて酔いやすいと感じる方も多いです。その理由について、仕組みや特徴を分かりやすく解説します。
炭酸がアルコールの吸収を早める仕組み
スパークリングワインには、炭酸が含まれています。炭酸の泡が口の中ではじけることで爽快感が生まれ、飲みやすく感じやすい反面、体内へのアルコールの吸収を早めてしまう働きもあります。
炭酸は胃の粘膜を刺激し、胃の動きを活発にします。そのため、アルコールが胃から腸へ早く送られ、結果として血中のアルコール濃度が上がりやすくなるのです。ビールやハイボールも同様の理由で「酔いやすい」と言われますが、スパークリングワインも同じく注意が必要です。
ワインのアルコール度数と他のお酒との違い
スパークリングワインのアルコール度数は、一般的に11~13%程度です。これはビール(約5%)、日本酒(約15%)、焼酎(約25%)などと比べて中間的な数字と言えます。
ただし、甘口のスパークリングワインや低アルコールタイプでは、度数が7~9%とさらに低い商品もあります。ワイン=強いお酒というイメージがあるかもしれませんが、種類によって幅広い度数が存在するため、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
飲みやすさがペースを速めやすい理由
スパークリングワインは、シュワッとした爽快感とほどよい酸味で、ついグラスが進みやすいお酒のひとつです。炭酸によって口当たりが軽くなり、お酒の強さを感じにくいこともあります。
また、特別な乾杯の場やパーティーなどで飲まれやすく、テンションが上がってつい飲むスピードが速くなりやすいことも、酔いやすさの一因です。そのため、意識してペースをコントロールすることが大切です。
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シャンパンやスパークリングワインのアルコール度数を比較

スパークリングワインやシャンパンのアルコール度数がどれくらいなのか、他のお酒やワインと比べてみましょう。選ぶときの参考にもなります。
シャンパンとスパークリングワインの度数の特徴
シャンパンはフランスの特定の地域で厳しい基準のもと造られるスパークリングワインで、アルコール度数はおおよそ12~13%が一般的です。スパークリングワイン全体でも、同じくらいの度数のものが多く出回っています。
一方で、イタリアやスペインなど他の地域で造られているスパークリングワインには、9~11%とやや低めの度数の商品もよく見られます。甘口や微発泡のタイプはさらに度数が低い場合もあるため、ラベルを確認するのがおすすめです。
他のワインや日本酒との度数の違い
スパークリングワインやシャンパンのアルコール度数は、静かなワイン(スティルワイン)や日本酒と比べてどのように異なるのでしょうか。下記の表で主なお酒の度数を比較してみましょう。
お酒の種類 | アルコール度数 | 特徴 |
---|---|---|
スパークリングワイン | 11~13% | 炭酸入りで爽やか |
シャンパン | 12~13% | フランス・シャンパーニュ地方産 |
日本酒 | 15~16% | 米が原料、やや高め |
日本酒はスパークリングワインよりもやや度数が高く、一般的なワイン(白・赤)は12~14%程度が多いです。缶チューハイやビールは5%前後なので、スパークリングワインは中くらいの位置づけといえます。
代表的なシャンパンやスパークリングワインの度数例
実際のボトルのラベルを見ると、下記のような度数表記がされています。代表的な銘柄をいくつかご紹介します。
商品名 | 原産国 | 度数 |
---|---|---|
モエ・エ・シャンドン(シャンパン) | フランス | 12.0% |
フェッラーリ(イタリア産スパークリング) | イタリア | 12.5% |
カヴァ(スペイン産スパークリング) | スペイン | 11.5% |
同じスパークリングワインでも、国や製法によって度数はやや異なります。アルコールに弱い方は、できるだけ低めの度数のものを選んでみてください。
酔いにくく二日酔いを防ぐスパークリングワインの飲み方

スパークリングワインは美味しく楽しみたい反面、酔いすぎや二日酔いが心配という方も多いでしょう。ポイントを押さえれば、負担少なく楽しむことができます。
ゆっくり味わうための飲み方のコツ
スパークリングワインは冷やして楽しむお酒ですが、つい一気に飲んでしまうと酔いやすくなります。口に含んで軽く泡を感じながら、ゆっくり味わうのがコツです。
また、グラスの中の泡が消えないうちに少しずつ飲み進めることで、炭酸の爽やかさと味わいをじっくり堪能できます。飲むスピードを意識し、会話や食事とともにペース配分を心がけましょう。
チェイサーやおつまみを取り入れる工夫
スパークリングワインには、水やソフトドリンクといったチェイサーを用意しておくと、アルコールの吸収を緩やかにできます。お酒と交互に水分をとることで、飲みすぎ防止や翌日の体調管理にも役立ちます。
また、おつまみも大切です。チーズやナッツ、生ハムなど、タンパク質や脂質を含むおつまみは、アルコールの吸収をゆるやかにしてくれます。食事と一緒に楽しむことで、体の負担を減らせます。
適量を守るための目安とポイント
飲みすぎを防ぐには、自分の適量を意識することが重要です。スパークリングワインの場合、グラス1~2杯(120~240ml程度)がひとつの目安です。
以下のようなポイントも参考にしてください。
- 飲んだ量をグラスやボトルで確認する
- 1杯を飲みきるごとに休憩や水分補給をする
- 空腹時の飲酒を避ける
ご自身の体調や体質に合わせて、無理のない範囲で楽しむことを心がけましょう。
シーン別おすすめスパークリングワインと選び方

シャンパンやスパークリングワインには、さまざまな種類があります。シーンや好みに合わせた選び方を知っておくと、より楽しく味わえます。
お祝いにぴったりな華やかスパークリングワイン
パーティーや記念日など、お祝いの席には華やかなスパークリングワインがよく合います。見た目が美しく、きめ細かな泡が特徴のシャンパンや、ロゼカラーのスパークリングワインは、テーブルを明るく演出してくれます。
香りや味わいも豪華なものを選ぶと、特別感がより引き立ちます。例えば、シャルドネ主体のブラン・ド・ブランや、ピノ・ノワールを使ったややしっかりした味わいのシャンパンなどもおすすめです。
初心者でも楽しみやすい低アルコールワイン
アルコールが苦手な方や、初めてスパークリングワインを試す方には、低アルコールタイプが適しています。やや甘口で、度数が7~9%程度のものは飲みやすく、フルーティーな香りを楽しめます。
例えばイタリア産の「ランブルスコ」や、フランスの「クレマン」の一部には、軽やかな飲み口のタイプもあります。お酒に慣れていない方にもおすすめできる選択肢です。
食事に合わせて選ぶスパークリングワインのポイント
食事と一緒に楽しむ場合は、料理に合わせてスパークリングワインを選ぶのがポイントです。料理の味付けや食材に合わせて、辛口・甘口やブドウの品種を選びましょう。
たとえば、シーフードや白身魚にはすっきりした辛口、フルーツを使ったデザートにはやや甘口を合わせるのがおすすめです。和食や前菜にはキレのある泡タイプを選ぶと、味のバランスが良くなります。
まとめ:スパークリングワインを美味しく安全に楽しむために知っておきたいこと
スパークリングワインは、炭酸による爽快感や華やかさで、多くのシーンを盛り上げてくれるお酒です。しかし、炭酸の影響でアルコールが吸収されやすく、飲むペースや量を意識しないと酔いやすくなる傾向もあります。
適切な度数や飲み方を選び、おつまみやチェイサーを工夫しながら、安全に楽しむことが大切です。自分の体調や好みに合ったスパークリングワインを選び、特別な時間をより豊かに過ごせるよう意識してみてください。
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