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ブショネとは何か?ワイン選びで失敗しないための見分け方と対策

目次

ブショネとは何かワインの欠陥臭の基礎知識

ブショネ と は

ワイン愛好家の悩みの一つが「ブショネ」と呼ばれる欠陥臭です。ボトルを開けた時、独特のにおいに気づいた経験はありませんか。

ブショネの定義と特徴

ブショネとは、ワインを開栓した際に感じる「カビ臭さ」や「紙が濡れたようなにおい」などの欠陥臭を指します。これは多くの場合、コルクに由来する化学物質が原因となります。一般的にブショネのワインは、ワイン本来の香りや味わいが失われ、飲んでも楽しめないことが多いです。

特徴的なにおいとしては、湿った段ボール、カビが生えた地下室、または古い新聞紙のような香りが挙げられます。これらはワインのフルーティーさや華やかさとはかけ離れており、すぐに違和感を覚えることがほとんどです。実際に体験すると、その香りの強さは個体差があり、わずかに感じる場合もあれば、はっきりと不快な場合もあります。

ワインがブショネになる原因

ブショネの主な原因は、コルクに含まれる「TCA(トリクロロアニソール)」という物質です。これは、コルクの原料となる樹皮がカビや微生物と反応し、生成されます。また、ワイナリーや貯蔵庫内の木材などからも発生することがあります。

一度TCAがコルクに付着すると、ごく微量でもワイン全体に特徴的な香りが移ってしまいます。特に自然由来のコルクは、加工や保管状態によってリスクが高まります。さらに、ワインの生産過程で使われる水や器具などが清潔でない場合にも、TCAの発生源になる場合があります。

ブショネによるワインの香りや味への影響

ブショネが発生したワインは、本来の香りよりもカビや湿気を帯びたにおいが強くなります。こうした香りは、ワインの持つ果実味や複雑なアロマを覆い隠してしまうため、ワインを楽しむ上で大きな妨げとなります。

味についても、渋みや酸味が強調され、全体的に平坦な印象になります。果実味や余韻が消えてしまい、飲みごたえがなくなることが多いです。ブショネの程度が軽い場合は、香りや味が鈍く感じるのみですが、重度の場合は明確に不快な風味として感じられます。

ブショネの見分け方と識別ポイント

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ブショネかどうか自信がないとき、簡単な見分け方を知っているだけで安心してワインを楽しめます。ポイントを押さえて判断しましょう。

香りや味の変化からブショネを判別する方法

ワインをグラスに注いだ際、最初に注目すべきは香りです。ブショネの場合、以下のような特徴が現れます。

・湿った段ボールやカビのようなにおい

・新聞紙が濡れたような香り

・本来の果実や花の香りが感じられない

味わいでも、果実味が弱く、苦味や渋みが目立つ傾向があります。あきらかに香りや味に違和感を覚えたら、ブショネを疑うのが良いでしょう。

見た目やボトルの状態で判断するポイント

ブショネは基本的に香りや味で判断しますが、見た目やボトルの状態にもいくつかのヒントがあります。例えば、コルクが乾燥してヒビ割れていたり、濡れてカビが付着している場合は注意が必要です。

また、ワインの色が不自然に濁っていたり、沈殿物が多い場合も劣化のサインです。ただし、必ずしもこれらだけでブショネと断定することはできませんが、異常があれば慎重に香りを確認しましょう。

酸化や還元臭との違いを知る

ワインにはブショネ以外にも「酸化」や「還元臭」といったにおいの変化があります。酸化は空気に触れる時間が長くなることで、酢やナッツのような香りに変化します。一方、還元臭は、卵やゴムのような香りが特徴です。

それぞれの特徴を簡単にまとめると下記のようになります。

匂いの種類主な香り原因
ブショネカビ、段ボールTCAなど
酸化酢、ナッツ酸素との反応
還元卵、ゴム酸素不足

どれもワインの楽しみを損ないますが、香りの違いを知っておくことで、ブショネかどうかを見分けやすくなります。

ブショネが発生する理由と防ぐための対策

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ブショネを防ぐには、原因とその対策を知ることが重要です。コルクや保管環境、最近増えてきたキャップの種類にも注目しましょう。

コルクとTCAの関係性

コルクはワインの伝統的な栓でありながら、ブショネの主な原因でもあります。コルクの原材料である樹皮は、微生物やカビと接触しやすく、そこでTCAが生成されることがあります。このTCAがワインに移ることで特有のにおいが発生します。

ワイナリーでは、コルクの品質を上げるため洗浄や乾燥といった工程を徹底していますが、完全に防ぐことは難しい場合もあります。特に天然コルクは自然由来のため、ロットによって差が出やすい傾向にあります。

保管環境や管理方法による影響

ワインの保管方法や周囲の環境も、ブショネの発生リスクに影響します。高温多湿の場所や、通気が悪くカビが発生しやすい環境は、コルクに悪影響を及ぼします。家庭で保管する場合も、直射日光や激しい温度変化を避け、涼しく暗い場所に置くことが大切です。

また、コルクが乾燥しすぎると縮んでしまい、隙間から空気や雑菌が入りやすくなります。横に寝かせて保管することで、コルクが適度に湿り続ける状態を保つことができます。ワインセラーの利用も、品質保持には効果的です。

スクリューキャップや合成コルクの利用

近年では、ブショネのリスクを避けるために、スクリューキャップや合成コルクを使用するワインも増えています。スクリューキャップは金属製のふたで、TCAの影響を受けないため、ブショネの心配がほとんどありません。

一方、合成コルクもTCAが発生しない素材で作られており、近年は品質も向上しています。伝統的な天然コルクに比べて、保存性や開栓のしやすさもメリットです。ただし、長期熟成が必要なワインには向かない場合があるため、用途に応じて選ぶことが大切です。

ブショネに当たった時の対処法とワイン選びの工夫

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もしブショネのワインに当たってしまった場合、どうするべきか迷うことも多いはずです。購入時や選び方のコツもあわせてご紹介します。

ブショネのワインを飲んでも健康被害はないか

ブショネのワインを飲んだからといって、健康上の大きな害はありません。TCA自体は人体にとって有害な物質ではなく、味や香りに違和感があるだけです。

ただし、強い不快感や気分が悪くなる場合もあるため、無理に飲み続ける必要はありません。味が気になる場合は、料理用に使うなど別の活用方法を考えてもよいでしょう。

店舗や通販で購入した場合の相談方法

万が一、ブショネと思われるワインに当たった場合は、購入先に相談することができます。特に専門店やワインショップでは、ブショネについて理解が深く、交換や返金対応をしてくれる場合がほとんどです。

通販の場合も、到着後すぐに開栓したことや、異常があった旨を伝えると対応してもらいやすくなります。購入時のレシートや納品書はしばらく保管しておくとよいでしょう。

ブショネを避けるための信頼できるワイン選び

ブショネのリスクを減らすためには、信頼できるショップや保存状態の良い店舗を選ぶことが大切です。最近では、スクリューキャップや合成コルクを使用したワインも多く、これらを選ぶことでブショネのリスクをさらに下げることができます。

また、ワインのラベルやボトルの状態が清潔で、コルクがしっかり密封されているかもチェックしましょう。店舗スタッフに相談し、保管状態や仕入れ状況なども確認してみると安心です。

まとめ:ブショネを正しく知りワインをもっと楽しむために

ブショネはワイン愛好家にとって避けられない課題ですが、正しい知識があれば安心してワインを楽しめます。原因や見分け方、防ぎ方を押さえ、万が一当たってしまった時も冷静に対応しましょう。

自分に合ったワイン選びや保存方法を実践することで、より豊かなワインの世界を味わうことができます。気になる点があれば、専門店のスタッフにも相談しながら、お気に入りの一本を見つけてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

難しい知識よりも、「おいしいね」と笑い合える時間が好き。ワインは特別な日だけでなく、日常にもそっと彩りを添えてくれる存在。
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