ワイングラスを持つ手の正しいマナーと基本知識

ワイングラスを持つ時のマナーや持ち方は、ワインの味わいや印象に大きく関わります。まずは基本知識を押さえて、自然に美しくワインを楽しみましょう。
ワイングラスの各部位の名称と特徴
ワイングラスには、知っておきたい基本的な部位があります。大きく分けて、「ボウル」「ステム」「ベース」の3つです。ボウルはワインが入る膨らんだ部分で、ワインの香りを集めたり、空気に触れさせたりする役割があります。ステムはボウルとベースをつなぐ細長い部分で、グラスを持つための柄ともいえます。ベースはグラスの底部分で、安定して置けるようになっています。
この3つの部位を理解することで、グラスの正しい持ち方や扱い方がわかりやすくなります。ワイン用のグラスはデザインもさまざまですが、基本的な構造は共通しているため、グラスのどの部分を持てば良いか迷ったときは、部位の役割を思い出すと安心です。
グラスを持つ手は右か左か
ワイングラスを持つ手は、原則として右手が一般的です。なぜなら、食事の場では右手を使う方が自然であり、周囲の人と動きを合わせやすいためです。乾杯やサーブの際も、右手でグラスを持つとスムーズに動作できます。
ただし、左利きの方や、手元が使いづらい場合には左手で持っても失礼にはあたりません。大切なのは、自分が持ちやすく、同席する方を不快にさせないことです。マナーを守ることも大切ですが、無理に右手を使って不自然な動きになるより、自分に合った持ち方を心がけましょう。
ワイングラスの正しい持ち方と注意点
ワイングラスを持つときは、ステム(柄)を親指と人差し指、中指で軽くつまむように持つのが基本です。ボウル部分を手で包み込むと、体温がワインに伝わりやすく、せっかくの香りや味わいに影響を及ぼしてしまうことがあります。
グラスを持ち上げる際は、力を入れすぎず、指先でバランスを取りながらゆっくりと動かすのがおすすめです。また、ベースを持ってしまうと不安定になりやすいので避けましょう。グラスを扱うときは、静かに丁寧に動かすことで、周囲にも落ち着いた印象を与えることができます。
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ワイングラスの種類とそれぞれの持ち方の違い

ワイングラスには形やサイズの違いがあり、それぞれに合った持ち方や使い方があります。種類ごとの特徴や持ち方を知ることで、ワインをもっと楽しめるようになります。
ボルドー型ブルゴーニュ型フルート型の特徴
ワイングラスには、代表的な形としてボルドー型・ブルゴーニュ型・フルート型の3種類があります。ボルドー型は背が高く、ボウル部分がやや大きめで、赤ワインに向いています。香りをしっかりと感じられるよう、空気との接触面が広めになっています。
ブルゴーニュ型は丸みが強く広がったボウルが特徴で、繊細な香りを楽しむワインに最適です。フルート型は細長い形状で、主にスパークリングワインやシャンパンに使われます。気泡が美しく立ち上る様子を眺めることができます。以下の表にまとめます。
グラスの種類 | 形状の特徴 | 主な用途 |
---|---|---|
ボルドー型 | 背が高くやや大きめ | 赤ワイン |
ブルゴーニュ型 | 丸みがあり広がっている | 繊細な香りの赤ワイン |
フルート型 | 細長い筒状 | スパークリングワイン |
ステム付きグラスとステムレスグラスの持ち手の違い
ワイングラスには、ステム(柄)があるタイプと、ないタイプ(ステムレス)が存在します。ステム付きは、先述の通りステム部分をつまんで持つのが基本です。手の熱がワインに伝わりにくく、ワイン本来の味や香りを損ねにくいメリットがあります。
一方、ステムレスグラスは手全体でボウルを包み込むように持つため、手の温度がワインに伝わりやすくなります。気軽なホームパーティーやカジュアルなシーンでは扱いやすいですが、繊細なワインの味わいを長く楽しみたい場合には注意が必要です。シーンやワインの種類に合わせて、使い分けることがおすすめです。
シーン別に適したワイングラスの選び方
ワイングラスは、使用するシーンによって選び方が変わります。たとえば、フォーマルなディナーやワイン会では、ステム付きのグラスが一般的です。高級レストランなどでは、ワインの種類ごとに専用のグラスを用意することも多いため、グラス選びにもこだわりが求められます。
一方、ホームパーティーや屋外でのイベントなどリラックスした場面では、ステムレスグラスや割れにくい素材のグラスが適しています。参加する人やワインの種類、場所に合わせてグラスを選ぶことで、より楽しいワイン体験ができるでしょう。
ワイングラスを持つ手が与える印象とマナー

ワイングラスの持ち方や手元の所作は、周囲に与える印象に影響します。エレガントに見せるコツや、国や性別によるマナーの違いも知っておくと安心です。
エレガントに見える持ち方のコツ
エレガントに見えるワイングラスの持ち方は、指先を使い、余計な力を入れずにステムを軽やかにつまむことです。手首や肘を大きく動かさず、自然な仕草を意識するだけでも、上品な印象を与えられます。
また、グラスを持ち上げる際は、腕を伸ばしすぎたり、無理に高く掲げたりしないようにしましょう。乾杯のときも、グラス同士を強く当てるのではなく、静かに軽く触れ合わせるのがポイントです。このように、さりげない気配りが美しさにつながります。
海外と日本での持ち方マナーの違い
ワイングラスの持ち方マナーは、国によって少しずつ異なります。たとえば、ヨーロッパの高級レストランでは、ステムをしっかり持つのが正式とされています。手の温度でワインの品質が変わりやすいためです。
一方、日本のカジュアルな飲食店や家庭では、あまり厳密に持ち方を気にしない場面もあります。しかし、公式な場やレストランではやはりステムを持つのが無難です。海外のゲストと一緒の場合は、その国のマナーに合わせて持ち方を調整すると、好印象を与えやすくなります。
女性男性で異なる印象を与えるポイント
ワイングラスの持ち方には、男女でそれぞれ印象の違いが生まれることがあります。女性が細い指先でグラスを軽く持つと、繊細で上品なイメージになります。小指を立てる必要はありませんが、指を揃えて持つことでより美しく見えます。
一方、男性は大きめの手でグラスを包み込むように持つ方が多いですが、力強く握りすぎるとカジュアルに見えてしまうこともあります。指先でステムを持ち、優しく扱うことで、洗練された印象を与えられます。男女問わず、清潔感のある身だしなみやしぐさも大切です。
ワイングラスを持つ手に関するよくある疑問と対策

ワイングラスを使う場面では、持ち方や扱いについて迷うことも多いものです。よくある疑問と、その対策についてまとめていきます。
乾杯や注ぐときの正しい持ち方
乾杯の際は、グラスのステム部分を指先で軽く持ち、ボウルを手で包み込まないようにしましょう。強く握りしめないことで、乾杯の音も美しく響きます。グラス同士を強く当てると割れる恐れがあるため、軽く触れ合わせるのが安全です。
ワインを注ぐときは、グラスを安定させて持つことが大切です。ステムの付け根近くを持ち、ボウル部分が水平になるように意識すると、ワインがこぼれにくくなります。注いでもらう場合も、無理に手を伸ばさず、テーブルに置いておくのがマナーとされています。
グラスが滑りやすいときの対処法
グラスが滑りやすい場合は、軽く指先の力を調整して持ち直すとよいでしょう。手汗などが気になる場合は、事前にハンカチで手を拭いておくのもおすすめです。また、グラスのステムが濡れている場合は、ペーパーやナプキンで軽く拭き取ると滑りにくくなります。
人前でグラスを落としそうなときは、焦らず一度テーブルに置いて体勢を整えましょう。慌てて持ち続けるよりも、落ち着いて動作をやり直した方が、周囲にも安心感を与えます。
複数のグラスを持つ場合のコツ
コース料理などで複数のワイングラスを扱う場面では、片手でグラスを2つ以上持つことは基本的に避けます。どうしても移動させる必要がある場合は、グラス同士がぶつからないよう、ステムの真ん中あたりをそれぞれの指でしっかり持ちます。
また、複数のグラスを運ぶ際は、トレーやお盆を使うと安全です。無理に一度にたくさん運ぶより、回数を分けて丁寧に移動させることが、グラスやワインを守るポイントです。
まとめ:ワイングラスを持つ手のマナーと知識でより美しいワイン体験を
ワイングラスの持ち方やマナーは、ワインをさらに美味しく、特別なものにしてくれます。正しい知識やコツを押さえることで、自信を持ってワインを楽しむことができるでしょう。
シーンやグラスの種類に合わせて、さりげなく上品な持ち方を意識することが、心地よいワイン体験への第一歩です。今回ご紹介したポイントを実践して、より豊かなワインの時間をお過ごしください。
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